2019年も半分過ぎましたね。わたしは昨年後半から今年春までの職場引越し疲れがやっと抜けてきた感じです。
あれ、疲れ、長すぎですかね・・・
blogにソウルのこといっつも書いてる&けっこう行ってるっていわれると、まぁ否定できませんね〜
もちろん歴史のことが気になるからっていうのが主なんだけれど(まだまだ行けてない博物館などがたくさん)、
食べ物も美味しいし知り合いも増えるし、みんな親切だし、近いし、何より航空券が国内旅行より安いことも多くて、ムフフ
日本にいると休日でもなんだか休んだ気がしないけど、ふらっと韓国に行くと、2時間で到着するといってもやはり私にしてみれば海外旅行!なわけだから、頭も心も解き放たれてのびのびできるのよね〜
しかも、日本人公務員がよりによってソウルの金浦空港で韓国が嫌いだと暴れ叫んだりするとんでもないニュースなどを見ると、
渡韓の際には I LOVE KOREA っていうTシャツでも着て行こうかしら!と猪木ボンバイエ闘魂が燃えてしまって(ソウル+平壌もキター!KOREAだもの)、
(必要以上に?)ウルトラ ソウル ラブ になっちゃってる、B’z&GLAYな(ネタに説明を書いておく・・)
神無月好子ですがみなさまはいかがお過ごしですか〜 アンニョンハセヨ〜
さて。読書と言えば秋なのでしょうが、晴耕雨読ともいいますし、これから梅雨になりますので、
心〜から〜君に〜つた〜えたい〜オススメの一冊をご紹介したいと思います(LUNA SEAもキタよ)
今年の春から読み進めていたものの、その引越し疲れというもののせいなのか時間がかかってしまいましたが、
なんとなんと3度も読み返す!『トラブゾンの猫 小田実との最後の旅』というとても美しい本に出会ったのです〜
昨年11月、「日韓識見交流」というツアーに参加するとてもありがた〜い機会をいただき、ソウルや全州に行ったのがきっかけ。
知識経験ともに豊かな方々とご一緒させていただくことができとてもうれしかったのですが、そこで作家 小田実さんの「人生の同行者」である玄順恵さんと出会い、同室に2泊することになったのです。
その順恵さんが執筆された本が『トラブゾンの猫』です。
2泊の間、お話をすればするほど、なんて素敵な方なのだろう!とうっとりしていたのですが、まさにその順恵さんが書かれたのだな〜と納得。やわらかく、優雅でありながら、躍動感とユーモラスに溢れているのです。
さらに、巻末には「美しい紙の墓碑ー『トラブゾンの猫』によせて」という沓掛良彦さんによるエッセイがあるのですが、それがまた、飾っても気取ってもいないにもかかわらず、本の中に登場するエーゲ海のように清らかで深く豊かな言葉が散りばめられていて。
なので、私などには表現できる言葉が見つからなくて焦ってしまいますが・・・
とはいえこの本は単なる紀行文ではないのです。もちろん美しい海も夕日も街並みも美味しそうな食事も、活字からありありと瞼の奥に浮かんで見えてくるのですが。
お二人は何度も世界を旅したり暮らしたりしてこられたそうですが、2007年に小田実さんが遠くに旅立たれる3ヶ月前の最後の旅で、トルコにある古代ギリシャの植民都市であったトラブゾンや、トロイ遺跡、アソスなどをめぐる。
まず、この本の著者である順恵さんご自身の見方、感じ方、考え方、表現、知識が素晴らしい。小田さんと常日頃からさまざまなことを論じたり語り合ったりしてきたというのですものね。すごいです。
小田さんはみなさますでにご存知のように、作家として執筆するだけでなく、実際にも、市民として市民とともに「ベ平連(ベトナムに平和を!市民連合)」や、阪神淡路大震災の後に市民発議による「被災者生活再建支援法」を国会で成立させたりとさまざまな活動もされてきた。
執筆、運動、学問、出会い・・最後の旅の様子とともに、人生という長い旅の中で小田さんが伝えてきたとてもたくさんの大切な経験や言葉が、順恵さんによってこの一冊150ページの中に絶妙にぎゅっと詰められている。民主主義とは、主権在民とは何か、いかに大切か・・戦争とは、国家と市民とは・・・
それらは、かわいい猫たちとの対話の形で述べられたり、なおかつ、順恵さんでなければ写し出せない普段着の小田実さんが見えることで温もりが生まれるのでしょうか、「とても身近なことなんだなぁ社会問題にかかわっていくことは」、と素直に受け止めさせてくれます。
『トラブゾンの猫』を通して小田さんの著書を読む方がさらに増えるのはとても素敵なことですね(私も読まなくちゃ)。
その逆で、著書を愛して来た人たちが『トラブゾンの猫』を読んでも、新鮮で、これまでと違ったものが見えるかもしれませんね。
日本では教育やメディアや社会の雰囲気の影響もあってか、人と論じることも、考えて自分の意見を持つことさえもあまりなくなっている。
なんとか選挙には行ったとしても、投票したら終わりで、あとは議員たちがやることだからと、政治にはかかわろうとせず、遠いところのものだと思っている人が多い。ほとんどかも。
なので、他人どころか自分たちが困っても、意思表示をしないですよね。デモの参加者数も少ない。
自由と平和は空気のように何もしなくても存在しているものと思っているかのように・・・
でも、税金が高いとか給与が低いとか、年金もらえなくなりそうで老後どうするかとか、レジで払う消費税だってそう、
戦争のような大きな問題じゃなくてもわたしたちが生きていている身近な一つひとつのことが社会と、政治とかかわっている。
自然環境だって破壊されるのと同じように、自由な環境や平和な環境も破壊されるのだから。
だからこそ!この『トラブゾンの猫』が大切だなと思うのです。
民主主義って、主権在民って?その大切さをわかっているようでわかっていないとき、
漠然とは社会がおかしいな、困ったなと思っていても、ハッキリせず言葉にできないとき、
戦争はよくないと思うけど、必要だという人に対して上手く意見を言えないとき、などなど。
自分に自身が持てないときにも、この本のページをめくってほしいのです。
出会いというのはとても重要ですよね。この本とのめぐり逢いを喜んでもらえたらと願います。
日々お忙しい方でも十分に読める量なのにこんなに中身が濃いなんて〜幸せです。
何度も読んだからといってわたしが天才になれるわけではないのだけれどもww自分の腑に落ちることによって、きっと何かが変わると思います。頭脳は変わらなくても・・心の目は変わるはず。
ギリシャ文学や古代史も文中にたくさん登場するので自分の幅も広がるかも〜ウレシー
これから、お友達への誕生日プレゼントはこの本に決定だニャー!
水墨画家である順恵さんによるかわいい猫たちの姿もあちこちに。猫好きの人もぜひ読んでほしいニャー!
『トラブゾンの猫』はタイトル部分にも書いたとおり、韓国語でも発売されています。
韓国のお友達にもプレゼントしたいな。
順恵さん、リードの部分がおちゃらけていてすみません。
大きな大事な問題だからこそ、楽しく伝えたいな〜と思って。
小田実さんの創作ノートに書かれた最後の言葉が本の中にあるのですが、わたしもチョボチョボながら、それを行動に起こしていきたいと思います。
順恵さんと『トラブゾンの猫』との出会いに感謝を込めて。 スキコより