SUKIKO KANNADUKI
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神無月好子/SUKIKO KANNADUKI
Hängen-Pazs

環境問題をはじめ、原発、社会問題などを、今までにない切り口で、わかりやすく馴染みやすく伝えるため、『GARCIA MARQUEZ』×『stop-rokkasho』のチャリティーコラボバックや、森林保全の『more trees』×『ANOTHER EDITION』×『HELLO KITTY』のチャリティーコラボバックの展開、執筆、講演会やトークショー出演、イベント開催など、多方面で活動中。


日別アーカイブ: 2015年5月28日

映画『それでも僕は帰る〜シリア 若者たちが求め続けたふるさと〜』

第189回国会(常会)が開催中ですが
これは大問題ですから、仕事しながらなのできちんと全ては聴けませんけども
消すことができず流し中継をしておったスキコです
えぇ、衆議院TVをね(生中継はもちろん録画が観れるビデオライブラリもあるよ)
http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php

 

何の審議かといえば衆議院『我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会』 よ
小泉純一郎さんが自衛隊イラク派遣をしてしまったこともいけないと思っていますが
今の安倍政権がやったこと、やろうとしていることは、もっと、とても危険でいけないこと
憲法で戦争放棄をうたっている日本を、再び戦争へと導くことよ・・
ぐうたらスキコも本気で声をあげていかねばだわぁ〜〜
ぐうたらできる安心社会であるためにやるのだぁ〜〜

 

第二次世界大戦終結から70年の今年、新聞はじめ各メディアでも
戦争を経験した方々が証言をしているのをたくさんたくさん目にします
みなさん本当につらい体験を、思い出したくもないことを、私たちに伝えてくれている
いや、今の政権を、日本を見ていて、このままでは戦争に突入したあの戦前に戻る!
と危惧されて、伝えなければならない、止めなければならないと
とても強い気持ちで、80歳前後はたまたそれ以上のご老体やご病気をおしてまで
お話してくださっています

 

同じ国の方々が経験したことを身近に聞くこともとても大切なこと!!
そしてそれと同時に、過去ではなく、今この同じ時に起こっている紛争・戦争についても
特に戦争を経験していない世代は、知って、考えていかなければならないと感じます

 

今起きていること・・・
ご紹介するのが『それでも僕は帰る〜シリア 若者たちが求め続けたふるさと〜』(仮)
というドキュメンタリー映画です
http://unitedpeople.jp/archives/1095

大変貴重なドキュメンタリーなのです!
スキコが拝見したのは52分のバージョンですが
劇場では89分の作品で、あの『サンダンス映画祭』のグランプリに輝いたそうです
配給のユナイテッドピープル関根さんは、理由などない、やらなければならない
と強く感じたそうです
スキコも、これは貴重という言葉では済ませることができないなと思いました
これを多くの方に観ていただくためにクラウドファウンディング中です
https://motion-gallery.net/projects/return_to_homs
劇場公開されると、その売り上げの1%はシリア支援をする団体への寄付にもなるの
応援よろしくお願いいたします☆
サンダンス映画祭はドキュメンタリーのアカデミー賞といわれるほど!
そんな素晴らしい作品を上映できなくなったら日本にとっての不幸よ〜〜

 

アラブの春という反政府デモ、民主化運動のことはご存知よね!
チュニジアの「ジャスミン革命」が端となり
多くの日本のみなさまはその後のエジプトの様子や
民衆にボコボコにされたリビアのカダフィ大佐のことをご覧になったはず

 

このドキュメンタリーの舞台、シリアでも、人々が立ち上がって!
カメラが追っているのはシリアの若者たちで、その中でもメインの2人がいます
1人は、サッカーのユース代表チームでゴールキーパーとして活躍していたバゼット
もう1人は有名な市民カメラマンのオサマ(当時24歳)

 

バゼットは当時19歳で、カリスマ的存在
サッカーのスターで有名だし、かなりのイケメンで、しかも歌が超〜上手いの♪
その知名度と得意の歌で平和を訴えたところ、多くの若者を惹き付けて〜〜
オサマもそんな非暴力の抵抗運動を撮影・公開していた

 

ところが、2012年2月に、政府軍は彼らの街であるホムスを攻撃して
歌という武器しか持たない彼らに本当の武器を向けて、170人もの市民を殺害・・・
話の通じない、暴力しか使わない相手には歌だけで立ち向かうことはできずに
彼らは護身用だったものを武器にして、政府軍に武力で対抗していくことになる・・・
日々、ミサイルや銃弾が飛び交い、仲間も自分も、弾に当たったり爆発に巻き込まれたりで
大けがをしたり、亡くなったりする・・・
倒れた仲間を救うのも遺体を埋めるのも、すべて命がけの戦闘状態の中で行われて・・・
みんなTシャツにGパンの普通の服装で・・・それでバズーカを放ち、砲弾の中を進む・・・
どこからやってくるのか彼らの手には常に武器が補充されてくる・・・
そんな状況の中で感覚が麻痺していってしまう仲間をオサマのカメラは悲しく見つめ・・
街がね、破壊されて、ないの、、、そう、ないのよ、、、、
シリアだって飛行機なら数時間で行けるところでしょう?
地球なんて狭いものだし、同じ地球の数時間違いの場所でこんなことが起きているのね
監督はタラール・デルキさん
先ほども書いたけど、砲弾が飛び交ってあちこち爆発している街中で
よくこれだけの映像が撮れたなと、本当にすごいんです

 

血肉飛び交うような場面はほぼないんです、怪我のところ一瞬くらいで
なのに、現場の悲惨な状況も人々の苦しみも痛みも、とてつもなく伝わってくるの

 

また、現場の臨場感だとか生の姿が伝わればいい、というだけではないのがすごい!
ものっすごく深刻な映像だし、もちろん映し出される現実も重いですけど
でもね、美しいんです、美しい場面があるんです
光だったり、モスクだったり、青空だったり、歌だったり、笑顔だったりね・・・
よくぞあの中で、素晴らしい角度で撮れたなぁ、観やすいのよ

 

でも、その美しさというのが、とても大切なんだなと思いました、楽しさも・・
映画のほとんどの部分は辛いものばかり、けれど
あまりにも辛い現実のみ、になってしまうと
感性が鈍くなってしまっている人が多くなった現代人たちには
その悲惨さは伝わるでしょうけれど、身近な問題としては感じてもらいにくくなるのかも
遠く離れた場所のこと、対岸の火事で、自分たちには何かできることではないと思ってしまう
ほんの少しでもいいから、歌、笑いなどのユーモアや、景色の美しさ、撮影の美しさがあると
人間味が出るというのかしら、あぁ自分たちと同じ、日々の暮らしを営んで来た人たちで
その人たちに今起きていることなんだ、というように、身近に感じることができる気がしました

 

だからこそ、歌いもできず笑いもできない破壊された現実を観た時にも
我が身に置き換えて考えることができ、この問題を解決できるよう何かしなくては、とか
こんなことが他では二度と起こってはいけない、起こしてはいけないと思えて
実際にそれに対して何か行動するようなパワーを与えてくれるのかな、と

 

劇場で観る日が来ることを、多くの人が観てくださることを願ってやみません・・・
もちろんシリアに平和がおとづれるよう支援が広がることも願っています!!
でも、今の日本の状況だからこそ、 日本の人たちに観てほしいの
平和が当たり前で、戦争なんて起こるわけがないわ〜って思ってる方が多いかもしれないけど
そんなものは簡単に崩れるわ・・・だって、たった70年前は戦争していたのよ〜〜
バゼットだって数日前まではサッカーのスターだったのに(アジアで2番らしい、1番誰だろ)
突然バズーカをぶっ放して軍相手に戦う生活をすることになってしまったのだもの・・・
恋人や家族同士だって仲良く平和でいるためには努力が必要なのだから
世界が平和でいるためにはなおさら、努力が必要だと思うの

 

バゼットたちは、悲しいことだけれども、武器を持ち、血を流して争う道へ進まなければならなかった
でも、今の日本はまだ、武器をもって戦う、血を流す、というところまでいってはいない
だから、声を上げられるうちに上げて、血を流さなくて済むうちに、血を流さなくて済むように
今の武器を持たない平和、戦地へ行かない平和を、憲法を守らなければならないと思うのです
いろいろな考えや意見はあると思いますが、知らぬまま流されることなく
知って、考えていきませんか☆
この素晴らしいドキュメンタリーがきっとそこへ導いてくれるはずです

 

映画『それでも僕は帰る – シリア 若者たちが求め続けたふるさと』(仮)
監督:タラール・デルキ
プロデューサー:オルワ・ニーラビーア、ハンス・ロバート・アイゼンハウアー
編集:アンネ・ファビニ
国際共同制作:Proaction Film / Ventana Film / NHK / SWR / SVT / TSR / CBC 他シリア/2013年/89分,52分/アラビア語/ドキュメンタリー
原題:The Return to Homs


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